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マダム櫻子のワインセラーからお届けする今が旬のお話


by yumewine

Chマルゴー

Chマルゴーは今さら言うのもなんですが、ボルドーのオーメドックの格付けの最高位、ボルドー4大シャトーの一つで、世界中にマルゴーのファンがいる。かの文豪ヘミングウェイもこよなく愛しアメリカとフランスとを行き来する船の中でいつも飲んでいて、その席にはマレーネ・ディートリッヒもいたそうで・・・・・なんとも想像しただけでよだれが出てくる。

とか何とか言いながら・・・・ぶどうを食べてから隣接する左側の建物の中へゾロゾロ。
そこで、Chマルゴーの概要を聞きました。
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畑は、全部で、262ha、そこで取れたぶどうから、Aoc マルゴーと、Aoc Bordeauxのワインを作っている。Aoc マルゴーのぶどうは262haのうちの87haあり、

カベルネソーヴィニヨン 75%
メルロー  20%
カベルネフランとプティベルド  5%

Chマルゴー_e0006588_11493910.jpgそして12haの白ワイン用、ソーヴィニヨン・ブランの畑があり、1904年よりパヴィヨン・ブランの名前でデビュー。それ以後、ずーっと白ワインは作っている。ここで、この白ワイン、値段はとても高価。写真をご覧あそばせな。

ラベルには同じChマルゴーの建物なのに、ラベルの下の方にワインの原産地呼称(アペラシヨン略してAC)が、赤のChマルゴー2000年の方はAcマルゴー、白のパビヨンブランの2000年の方はAcボルドー
これは、ボルドーのオーメドックの地区は赤ワインだけのACが認められているので、たとえChマルゴーでも白ワインは総合的なACボルドーになるのであります。
そんじょそこらの値段ではないのにね。
ワインの格と値段はイコールではない一つの証明。
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敷地内のぶどう畑以外は、全て森。静かで空気がおいしくて、森を通って吹いてくる風の爽やかさが超贅沢。私がお邪魔したこの時期は、収穫を開始して2週間目くらいの超忙しい時。

ぶどうは全て手づみ。

ボルドーに寝起きして肌で感じたことに、夜間の急冷、日が沈むとごっつ寒くなる!朝は、日の出とともに下の方から霧が出てきて、畑を真っ白にしてしまう。ところが午前10:00頃からぐんぐん気温が上がってきて霧も晴れ、スカーンとして青空のもと外仕事してると大汗をかくのだワ。
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野菜も米も果物も「おいしい」成り物になるときには、この1日での気温の差が大きければ大きいほどギュッと凝縮して、メリハリがきいた旨味がうまれる。

ぶどうの場合、糖度と、質の良い上品なと、熟成した渋味が、大事。

渋味は、皮と種から抽出されるもので、これまた恵まれた年には皮も種も熟成するので、質の高いタンニンとなる。天気が悪ければ見た目は完熟ぶどうでも種は熟さないので青臭いまま。こんなタンニンだとワインになってもあまり良い変化が望めないのでさっさと飲んでしまったほうがいいと思う。
甘さと上品な酸と上質なタンニンこの三つのバランスの良さでワインの良し悪しが決まる。それもこれも収穫前の気温の差のある天気が、もたらしてくれるのだ。

1997年は、正にこの天気、l夢のような年だ。

ゲストルームの後ろにカーヴがあり、収穫年度のワイン(新酒のこと)は樽に入れられ1Fに。
小窓があり、必要に応じて開閉し、少々気温の変化があった方が 初年度には良いそうだ。

地下1Fには、前年度。地下2Fには前々年度の樽。
地上、地下1、地下2と、順次移されて樽熟し地下2Fでの一年が過ぎたら瓶詰めされる。
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とにかく広くて圧倒される樽の量。一樽で750ml.のワインが300本位とれる。300×1本50000円として一樽でヒェ~~~1500万円~~~~!!!
ポケットにでも入るもんなら・・・・・と、邪しまな心が湧いてくるのでありました。

カーヴでため息ついた後、再び1Fに戻ってきて、1993年のChマルゴーのティスティングをさせてもらいました。さすがです。うまいの何の。

次に1995年のワインを樽からピペットで吸い上げテイスティングさせてもらいました。まだ若く樽のタンニンのコートを着たままのワインで、口の中に色素とタンニンからの紫色の膜がはり、、唇も紫もちろんお歯黒になってます。それでもマルゴー、飲めるのですよ。おいしく。これにはびっくり!さすがマルゴー。

あと5年ほどしてからまた飲みたいなと思いましたが、若くてもなんとまろやかで、きめの細かいタンニンなんでしょう。ボディの厚い、力のあるワインとは、こ~~~んなワインなんだわ。まだまだベビーなのに、あっぱれ!

Chマルゴーの醸造技術集団の力を持っていても毎年同じものは作れたいそうな、そこが又ワインのヴィンテージの面白みでもあるそうで、陶酔とため息でChマルゴーを後にしたのであります。
# by yumewine | 2006-06-29 17:36 | ワイン紀行
お久しぶりです、皆様
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しばし筆を休めておりましたが、当方の事情に関係なく、Chマルゴーに向けてのお召しバスは出発したまま。

で、いつ到着じゃ?何をしとるんや?バスが故障でもしたんかい?早よう続きを書かんかい?の心あたたまる激励のメールもいただき、つたない私めのブログに関心をおよせいただき、誠にありがとうございました。

大変長らくお待たせしましたが、CHマルゴー到着です。
お~Chマルゴーよ!ついに来た!_e0006588_1756425.jpg

爽やかな風の中、マロニエの並木道の真正面にあのCHマルゴーが、ワインのラベルと同じ、あの建物がドーンと目の前に、しかも門扉を開けて歓迎してくれているではありませんか!それでも中に入るには相当根性と勇気がいってずかずか行くのにもはばかられ、この近寄りがたさが又魅力の一つなのかも?クールビューティかな?

ため息とともに思わず口から出たのが、「お~~ついに来たのだ。マルゴーへ来たのだ」感動です。

塀に沿って、右の方に醸造場とカーヴがあり、当然ぞろぞろと砂利道を歩いておりましたら、ちょうど畑から摘み取ったぶどうを破砕機に運ぶトラクターと一緒になり、破砕機に入る前の大理石のどでかい升の中へ入ったばかりの濃い紫のメルローの山を見て、さわって、ついでに口にも運びしっかり食べてきました。

このメルローの山を二人の気のよさそうな、蔵人のおじさんが、平らにならしここでもぶどうの選果(・・東北弁でなまって・・悪いぶどうはいねが~~葉っぱは入っとらんべーーと、使えないぶどうを外してより完璧なぶどうだけにする)
お~Chマルゴーよ!ついに来た!_e0006588_1801094.jpg

CHマルゴーでは、良いワインを造る為には、良いぶどうを育て良いぶどうのみを摘み取ることが一番。だから畑での摘み取りが一番重要な選果になるので摘み取りのスタッフ(おばちゃんたちの姿が多かった気がする)は毎年決まった人たちらしくて総勢200人くらいが畑に入るそうです。
お~Chマルゴーよ!ついに来た!_e0006588_18155087.jpg

摘み取り可能とOKが出た畑から良いぶどうの実を摘み取ります。葉っぱやツルはもちろん入れず手摘みで、枝に実っている場所によっては、一房の中でも表と裏とでは熟度が違うので、目で見てしっかりチェックです。最終的にはいいところだけ使って、あとはボツ!
お~Chマルゴーよ!ついに来た!_e0006588_17543112.jpg
で、このメルロー、実にうまい!!!甘くて美味くて口のまわりを紫色にして食べまくっていましたら「ワイン用のぶどうとして味のチェックをするときはね実だけ食べて皮と種をポイするんじゃないの!皮も種も口の中で実と一緒にすりつぶすの。上あごに皮を擦り付けてネ。種も噛み砕いてネ。全体の味を見るんだよ。」

で、実践
「うりゃ!びっくり!さっきの甘くてジューシーなぶどうがアルコールのない渋いワインになっちまったゾォ」これは驚いたわ。

CHマルゴーのメルローはとぉ~~~っても元気でタフで濃厚です。

続く・・・
# by yumewine | 2006-06-25 18:18 | ワイン紀行

ボルドー市内観光

 
ボルドー市内観光_e0006588_1733281.jpg

ボルドー駅で市内観光のバスを待たせたまま時は止まり、早や一と月。
その間、七尾は早春から春らんまんへ移行し、ニ~三日前から庭にうぐいすが1羽遊びにきておりまして、ホケキョと歌ってくれるのですが、長かった冬のせいか、今一つ調子っぱずれ。うぐいす君・要練習!(笑)

 庭に1本あります桜の木も、満開。そろそろぶどうの樹に新芽が出てくる頃、春や春、うるわしの春。でも、寒いですわ。心も空も春なのに、身につけている服はいまだに完全冬仕様。手間だとも、重たいとも思わずに1枚もへらさず、この4ヶ月間、きっちりと身につけております。身軽になるのは、まだまだ先でしょうか。

 
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ということでそろそろボルドーのバスを動かします。
ボルドーの街は、石の街。あちこちに広場と凱旋門があり、凱旋門の数だけ戦があった事がうかがわれます。古くは、ローマ軍の侵略により、ジュリアス・シーザーの時代に、シーザーはブルゴーニュ、ボルドーには(       )が執政官になり、シーザーはローマに帰国しても(         )は生涯lボルドーにとどまり、ぶどうとワイン造りに励み、ボルドーワインの父と呼ばれております。水が豊富でピレネー山脈から流れてくるガロンヌ河とフランス中部からのドルドーニュ河、この二つの河が合流するあたりにボルドー市街があり、合流した二つの河が北大西洋に向かって大河となり、その名もジロンド河として、滔々と流れる様はとても雄大です。

※(  )は口が曲がりそうな名前で忘れた!知っている方教えてくださいませ。この年になると抜けていくことが多くって・・・

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ジロンド河になったあたりの海に向かって左側にはその昔、何隻もの大型帆船が停泊し、貿易で栄えたボルドー市の経済力はものすごかったよう。
船の前にはワイン商・貿易商の商館・倉庫が立ち並び、現在これらの建物はこじゃれたレストランなどに生まれ変わってます。
石畳に石の門、オォ、これはヨーロッパにゃあ豪華だぁの石の装飾をふんだんに配した建物など、ワインだけではないボルドーの魅力がたっぷりです。

 ボルドー市内観光_e0006588_1751485.jpg街の中心地にある大劇場の近くのレストランにて、夕食。
緯度が高いためか、白夜とまではいかないものの夜の8時頃でもまだうす明るく、食事にたっぷり時間をかけるお国柄。日本の生活とは大きく異なる夜の長さ、今日から毎夜、真夜中近くまでの食事がいよいよはじまりました。

 このレストランの近くにワイン専門店ヴィノテークがあり、1Fから2F、3Fと全てワイン・ワイン・ワイン・ワインがぎっしり。ワインオープナー、ワイングッズなども多種さいさい。とても興味深く時間の経つのを忘れて、個々に楽しめ、品定めできる、こいつぁいいわのお店でした。

 
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でも、いたるところ犬のフン。パリよりはましだったかナ。
ヴィノテークの他、路地の奥やそこここにワインショップがあり、カヌレ(ボルドーの焼菓子)のお店もあったり、広場ではサーカスのテントも見えたり、回転木馬があったり、ここはやっぱりフランスや。のどかで、穏やかで、圧倒的な歴史の蓄積を感じさせる古都です。
# by yumewine | 2006-04-18 10:25 | ワイン紀行
 お昼のTGVにてボルドーへ。とさらりと書いちゃあ実もフタもない。モンパルナス駅に向かう前にホテルの近辺を散歩。大通りまでほんの一呼吸。大通りからは凱旋門が、その両側にはびっしりカフェテラスやレストラン、ブティックと朝、じっくり見ていたらレストラン関係のお店はまだ眠りの中、もしくは昨夜の名残りのお掃除中。パン屋さんや菓子屋さんは営業中。シャンゼリゼ通りの並木の電飾は消えてたかナ。

 歩く時は要注意。なんとなればどこもかしこも犬のフンだらけなんだわ。

 お昼前にホテルを出てモンパルナス駅に。そしたらあなた、モンパルナス駅の構内にまで犬のフンがあるのだからアングリです。各TGVの出発時間も結構アバウトで、案内人いわく時刻表はあるのだが、ちゃんとその通りにはいかないようで、遅れるのが当たり前のようで、「一応時間を気にしながらその辺をうろうろしてください。」

 ちゅうことで、駅の構内にある待合室や日本でいうところの屋台(タコ焼きとか立ち食いソバはさすがにない!)、かわいいテント屋根の菓子専門、パン専門、みたいのひやかしたり、コンビニみたいのにも入ってみたり、全部フランス語で書いてあるんやけどなんとなくわかるから人間の使うものは万国共通なんだろうね。

 そうこうしているうちに、それらしい時間にTGV到着。思いのほか正確な時間であったため、散らばっているメンバーを全員集合させるのにあたふた。そしてさあ乗り込みましょう、とホームへ。このホームとっても低くて、レールの砂利石からわずかに高いのみ。そのホームにまで犬のフン、奈良の東大寺や公園の鹿のフンも有名ですが、パリは犬のフン。これも名物って言えるのかな。

 TGVがモンパルナスを出発して、5分もするともう田園地帯。昨日の飛行機からの眺めとあわせ、改めてフランスは農業大国なのだと実感しました。ボルドー着までお弁当の生ハムじゃない、塩味の濃いベーコンみたいの挟んだバゲットに、缶ビールで結構おいしかった。飽きずに車窓眺め、ひまわりの畑、牧草地、そして墓地。ようけぇありました。

 車内は満席で、TGVのトイレ見学に立った時に見たら、スーツケース専用のラックが広くとってあり「 そのラックの中にとってもチャーミングな男の子と女の子が体2つ折りにして座っていました。こんなとき足の長い彼らは大変だわ。
 そんなこんなで3時間くらい経ってようやくボルドーに。夢にまで見たガロンヌ川の鉄橋をガタンガタン走って、その川幅の広さ、水の色(夕んべ大雨かい?水が茶色いゾ)、その水量の豊かさにオォーっと感嘆。
  この川をわたり切ったら、すぐボルドー駅。いよいよボルドー着です。駅の構内はとても広く、「世界の車窓から」で見たことあるような感じの明るくて自然光がよく入るのーんびりした駅で、改札口へ続く階段を登りきった最上段にお迎えの犬のフン。

 先頭の「オォーまただ!」という声になんのことかすぐ察知でき、続く私どもは注意して以後、安全に着地。これより後、歩く時にはすばやくフンチェックをする習慣が身に付きました。バスに乗り込み、これからボルドー市内観光です。発車オーライ。
# by yumewine | 2006-03-06 19:46 | ワイン紀行

♪おっパリ、我パリ♪

 風邪をこじらせ、風邪薬がよう効いて一日中食っちゃ寝オバサンになり果て二週間。快復を待っていたかの如く、酒蔵ツアー、おまけに溜めこんだ諸々の仕事…をこなしてハタと気づいた。パリ上空で私の飛行機待機中のまんまはや3週間。えらいこっちゃ、こりゃあ早うおろさんと、仲間はアル中で沈没じゃぞ。てなわけで、我飛行機は、パリ郊外、シャルル・ド・ゴール空港見下ろし、着陸体勢に。
 
 パリは午後、されど日本からひきずっている体内時計は午前3:00位。ボーッと窓外見ておりましたら、一面緑の田園地帯。一瞬、我石川の松任平野(前日、小松空港から出ましたので)とダブってしまい、ここは小松じゃないよねとボソボソ言うておりましたら、もう地上に降りちゃって、ゆるゆるとゲートに向かいだし、またまた窓外を見やっておりましたら、おったおった。コンコルドが2機。そんなに大きくはないんだあ。ここはやっぱりフランスやあ。でこのあとから民族大移動のようにトットと飛行機から降りて、入国手続きやって、流されるまま空港の出口に待機中の貸しきりバスへ、そこで初めてパリの風にまともにあたりましたが、どえらい寒い。とても9月の風じゃあないワ。気温が日本より少し低くて、風もあり体感温度がさらに低くなったのでしょうか。この風でガツンと頭にカツが入り、パリじゃパリじゃワハハハとなったわけで、見るもの触るもの(といってもフランスの貸し切りバスの中だけね)珍しく、夫とニコニコ前の方に座って、さあ出発。

 パリのシャンゼリゼ通り、凱旋門のすぐ近くの三ツ星ホテルへ到着するまでずざざーっとパリの街走ってくれましたが、想像と違って道の両端のゴミの多さ、乱雑さにびっくり。パリってゴミの街、なんちゅうこっちゃ!東京の渋谷以上じゃあ。眼が良くって、具体的なゴミの文字まで見えちゃう。マクドナルドのマークがようあったわ。

 とかなんとかで、ホテル・カリフォルニア着。フランスでカリフォルニア、かつてアメリカがカリフォルニア・シャブリの名前でのワインを出していて、本場フランスのシャブリのイメージを損なうから使うナ!ええやんちょっと位、ケチ!のすったもんだがあった事を思い出し、カリフォルニア・シャブリの名前は永久に使えなくなったことを思い出し、でもパリでホテル・カリフォルニアなんだよねと思いつつ、ホテルの我部屋へ。なんとまあ長い廊下に1m間隔で絵が飾られ、ホホウさすがはパリネ。とも思いつつ。花の都、芸術の都。絵描きさんの卵は毎年毎年世界中から来るわけで、九谷焼のおまつりみたいにハイ、まとめてナンボ。みたいに絵も買えるんかなあ。なんて思って、欲しくもないのに夕食もまたしっかりいただいて、明日のボルドー行きに備え、体を長々とのばして、早々にベッドに。明日はヴィアンヴィニュー・モンパルナス駅からTGV(仏の新幹線)にて、ボルドー入り。楽しみ楽しみ。

 
# by yumewine | 2006-03-05 15:36 | ワイン紀行